税務Q&A
2016年6月16日
会社の業績が悪化しているため、すぐにでも役員給与を減額し、赤字を圧縮したいと考えています。役員給与を減額することに税務上問題はありますか?
法人が役員に対して支給する給与の額のうち、定期同額給与、事前確定届出給与又は一定の利益連動給与のいずれにも該当しないものの額は、損金の額に算入されません。
「定期同額給与」とは、原則としてその支給時期が1ヶ月以下の一定の期間ごとで、その事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与をいいますが、事業年度開始から3ヶ月以内に改定がされた場合における定額給与も該当し、全額損金算入が認められます。
また、事業年度開始3ヶ月経過後であっても、決算書の数値が相当程度悪化したことや倒産の危機に瀕したことに加え、第三者である利害関係者(株主、債権者、取引先等)との関係上、役員給与の額を減額せざるを得ない事情が生じていれば、減額改定した給与については、定期同額給与に該当し、全額損金算入が認められます。
次のような場合の減額改定は、通常、業績悪化改定事由による改定に該当することになると考えられます。
① 株主との関係上、業績や財務状況の悪化についての役員としての経営上の責任から役員給与の額を減額せざるを得ない場合
② 取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員給与の額を減額せざるを得ない場合
③ 業績や財務状況又は資金繰りが悪化したため、取引先等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の額の減額が盛り込まれた場合