Q&A

税務Q&A

2017年9月1日

 この度、父親が死亡し、相続人間で遺産分割協議を経て、上場株式を取得しました。

 私には相続税の納税資金がなかった為、
 今回の相続で取得した株式を譲渡し、現金化した後に相続税を納付しました。

 株式を譲渡したときの譲渡所得の計算はどのようになるのでしょうか?
 相続で取得した土地を一定期間内に売却し、現金化した場合、特例計算があると聞きますが、
上場株式にも、同様の取扱いがござますか?

 今回の相続で取得した上場株式の売却に係る譲渡所得の取扱いで、

一定の要件を満たせは「取得費加算の特例」を適用することができ、取得価額に相続税額(実際に納税した相続税額のうち、譲渡した株式に対応する額)を加算することができます。

適用要件は以下の通りとなっております。

①相続や遺贈により財産を取得した者であること。

②その財産を取得した人に相続税が課税されていること。

③その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

 

譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 -(取得費+譲渡費用+取得費加算額)

 

 

取得費加算額

 

その者の確定相続税額× その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされた譲渡資産の価額 / (その者の相続税の課税価格 + その者の債務控除額)

 

なお、この特例を受けるためには確定申告をし、次の書類の添付が必要です。

 ①相続税申告書の写し

 ②相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書

 ③株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書

 

 

※上記記事は、2017年8月末現在の税法等の諸法令及び判例等に基づいたものですが、解釈については私見もありますので、ご承知ください。