税務Q&A
2016年7月20日
~取引先に対する売掛債権の免除~
当社の取引先である甲社は、震災により本社家屋が半壊し、復旧作業をしているところです。
そこで、当社は復旧支援のため、甲社に対する売掛金1,080,000円(うち消費税額等80,000円)の全額を書面により債権放棄しました。
この場合の会計処理と法人税の取扱いを教えてください。
当社の取引先である甲社は、震災により本社家屋が半壊し、復旧作業をしているところです。
そこで、当社は復旧支援のため、甲社に対する売掛金1,080,000円(うち消費税額等80,000円)の全額を書面により債権放棄しました。
この場合の会計処理と法人税の取扱いを教えてください。
①会計処理について
仕訳は、以下このようになります。
(売上値引) 1,000,000 / (売掛金) 1,080,000
(仮受消費税等) 80,000
借方の勘定科目は「売上値引」ではなく、費用の勘定科目で処理することもできます。その場合であっても、消費税では「売上に係る対価の返還等」に該当しますので、「仮払消費税等」ではなく「仮受消費税等」で処理します。(消法38①)
②法人税の取扱いについて
法人が、災害を受けた取引先に対してその復旧を支援することを目的として災害発生後相当の期間内に売掛債権の全部又は一部を免除した場合には、その免除したことによる損失の額は、寄付金及び交際費等に該当しません(法基通9-4-6の2、措通61の4(1)-10の2)
したがって、ご質問の債権放棄をした金額は、全額損金の額に算入(益金の額から控除)します。