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税務Q&A

 先月、夫が亡くなりました。

 夫の財産を調べたところ、これと言った財産もなく、多額の債務を負っていたことが分かったため、相続放棄することを検討しています。

 相続放棄をした場合、何も受け取れないという話を聞いたのですが、本当でしょうか?

 夫は万一のため、妻である私を受取人とする生命保険に加入しており、相続放棄をすると、この生命保険金も受け取ることができなくなるのでしょうか?

相続放棄をした場合でも、生命保険金を受け取ることができます。

 

相続放棄とは…

 相続が発生した場合、被相続人(亡くなった人)の財産・債務のすべてを「相続財産」としてまとめ、相続人に分配しますが、被相続人のプラスの財産よりも債務(借金など)が多かった場合などに、その相続自体に関与しない「放棄」ができるという仕組みです。この場合、プラスの財産はもちろん受け取れませんが、代わりに債務についても一切の放棄が可能です。

 

 上記を読み解くと、相続財産である生命保険金を相続人は受け取ることができない、と思われますが、生命保険金は相続財産の一種という性質以前に、民法上、「受取人固有の財産」という大前提があり、著しく過大な額でない限りそれを侵害することは不可能です。従って、死亡保険金は亡くなった夫の財産ではなく、保険金受取人である妻の固有の財産となり、相続放棄をしても生命保険金を受け取ることができます。

但し、以下の点に注意が必要です。

① その生命保険金は、税制上「みなし相続財産」として相続税の課税対象になります。相続放棄はしても、相続税がかかるという少し特殊な課税体系となっています。

② 生命保険金は受け取れますが、相続放棄はしているため、相続人とはみなされず、相続における生命保険金の「500万円×法定相続人の数」の非課税制度は使えません。但し、相続における「3000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除は適用されます。

 

※上記記事は、2017年9月末現在の税法等の諸法令及び判例等に基づいたものですが、解釈については私見もありますので、ご承知ください。